消費者庁 虚偽表示問題で課徴金制度の導入方針 しかし弁護士の虚偽表示問題は無視する日弁連・裁判所の無責任

 消費者庁がホテルのメニューなどの虚偽表示問題を受け、景品表示法を改正し、違反業者に対し課徴金を科す制度の導入を検討しているそうだ。

 景品表示法が適用される「事業者」とは、「商業、工業、金融業その他の事業を行う者」をいい、事業者の利益のためにする行為を行う「役員、従業員、代理人その他の者」も事業者とみなされる。

 すると、事業者ではなく個人の代理人弁護士の行為は課徴金の対象となりうるか?景品表示法からすれば、事業者の代理人弁護士は対象となりうるが、個人の代理人弁護士は対象とならないようだ。もっとも弁護士が「事業者」に含まれれば話は別になるが。

 では、弁護士の虚偽広告の規制は誰がするのか。個人の安全は誰が守るのか。日弁連は虚偽広告を一応禁じているとはいうものの、違反したときに課徴金が科されるわけでもなく、実際、裁判所も日弁連も、報告があっても懲戒も行わず、うやむやにしているといってよい

 日弁連の会則等は景品表示法の理念にはとうていおよぶものではない。弁護士のなりすまし・虚偽宣伝の防止についても、無責任な互助会団体ではなく、ぜひ消費者庁で対応していただきたいものだ。

 

景品表示法

(協定又は規約)
第十一条  事業者又は事業者団体は、内閣府令で定めるところにより、景品類又は表示に関する事項について、内閣総理大臣及び公正取引委員会の認定を受けて、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争を確保するための協定又は規約を締結し、又は設定することができる。これを変更しようとするときも、同様とする。
2  内閣総理大臣及び公正取引委員会は、前項の協定又は規約が次の各号のいずれにも適合すると認める場合でなければ、同項の認定をしてはならない
一 不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争を確保するために適切なものであること。
二  一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと。
三  不当に差別的でないこと。
四  当該協定若しくは規約に参加し、又は当該協定若しくは規約から脱退することを不当に制限しないこと。
 

2014年06月07日 08時35分 虚偽表示に課徴金導入へ…違反売上額3%の方針  

The Yomiuri Shimbun

 ホテルや百貨店などの食材や食品メニューの虚偽表示問題を受け、消費者庁は、景品表示法の違反業者に対して課徴金を科す制度を導入する方針を決めた。

 現在の行政処分だけでは不当表示を防げないと判断した。違反業者にペナルティーを加えるとともに消費者の被害回復を図るため、違反業者が商品の購入者に返金すれば、課徴金を減額する仕組みも導入する考えだ。

 課徴金制度に被害回復の仕組みが取り入れられるのは初めて。昨年12月に安倍首相から諮問を受けた内閣府消費者委員会が、10日にまとめる答申に盛り込む。答申後、消費者庁が制度の詳細を固め、秋の臨時国会への法案提出を目指す。

 課徴金は、食材や食品メニューだけでなく、あらゆる商品やサービスの不当表示が対象となる。課徴金額は「違反商品の売上額の3%」とする方針だが、同委員会内では低すぎるとの意見もあり、引き上げる可能性もある。